設立趣意書

 現在の児童・生徒・学生たちには、コミュニケーション能力の育成は欠かすことができません。人の話しを聴いて理解する、自分の思いを的確に伝える、友人関係を築く、対人とのもめごとを話し合いで解決するなどは、安全で安心な学校文化を構築or形成する基本です。 ※注1(下記参照)  ピアメディエーションは児童・生徒・学生のコミュニケーション力を育成して、対話によってトラブルを解決する方法を学習することに主眼をおいています。対人のもめごとは、学校だけで起きるものでありません。家庭の中、近隣社会でも起きる可能性があります。家庭では親がトラブルをどのように解決するかのモデルになることが求められます。保護者にもピア・メディエーションを学んでいただくことによって、平和な家庭の建設への一助にすることもできます。 このようにピアメディエーションには、児童・生徒・学生が問題の解 決者となり、社会のルールを設定し、平和な社会を建設できる能力を育成できます。つまり、①予防効果、②児童・生徒・学生のエンパワーメント、③実際のトラブル解決という三段階の効果が期待できます。

【ピアメディエーションとは】

ピアメディエーションには次の特色があります。   

1 課題や問題orトラブル解決に参加できるエンパワーの教育ができる。    

2 学校や家庭の教育力向上が望める。    

3 ピアメディエーション教育を受けた人は現実に即した解決ができる。(WIN-WINの解決)

4 同意を形成するプロセスが確立できる。   

5 学校や社会のルールが確立する。 

 それぞれの学校のニーズに合ったプログラムを作成し、どのような規模で展開するかを決定することができます。また、どのような問題をピアメディエーションで扱うことができるのかについてある程度の同意を形成することが必要です。対人のもめごとは、いじめのような暴力問題や金銭の貸借、誤解、関係の悪さ、何らかのストレスや圧力、風評被害、などが考えられます。

 一般に、ピアメディエーション教育には次の訓練プログラムが含まれています。 

1 メディエーション・ルールの説明 

2 対人トラブルの発生とその特色 

3 トラブルの解決方法の発見 

4 怒りや悲しみなどの感情への対処 

5 コミュニケーション技術の訓練「言い換え」「要約」などの技法 

6 他者の視点を理解する訓練 

7 メディエーション・プロセスの理解と実演 

8 話を伝える技術・自分の視点や気持の表明 

9 ブレーンストーミングの方法 

10 トラブルor問題の解決と解決にいたる同意の形成 

11 守秘義務 

12 メディエーション・プロセスの訓練   

 このようなエンパワー教育によって、児童・生徒・学生たちにさまざまな能力を育成することができます。特に、自己を尊重し、他者を尊重し、ルールを尊重するという人間が育成できます。また、自分と異なる意見や見解を受け入れるだけではなくて、それぞれの意見を寛容さと公正な態度で評価するだけでなく、意見の違いを乗り越えて同意を形成する能力が育成できるようになります。

 つまり、次の能力が育成できます。 

① 事実を客観的に理解する能力だけではなく、人はどのように事実を認識するかを理解できる人間の育成 

② 共感しながら、激高することなく、自己の感情をコントロールできる人間の育成 

③ 自己の意見や、気持ち、何に関心があるかを相手に理解してもらえるように的確に表現できる人間の育成 

④ 難解な問題を粘り強い態度で解決に向かって努力し、創造的なひらめきによって解決できる人間の育成

⑤ 具体的なレベルだけでなくて、抽象的なレベルでも内省して考える力、未来への信頼などができる人間の育成 

 最後に、付け加えたいのが他者の過ちや実際にあった危害を許すという寛容さの教育、あるいは意図せずに犯してしまった危害に対して謝罪し、つぐないをするという行動の修正の教育も、このメデイエーション教育に含まれます。対人トラブルの多くは誤解やコミュニケーションの不足によって生まれます。過剰に反応してしまった、後から考えると自分にも過失があったと思うことも多いでしょう。 以下の人たちがこの研究会の設立に同意いただいています。

 関東地区では、ワークショップを計画いたします。皆様の参加をいただき、学校での実践報告、研究、報告、文献調査などの発表を募集いたします。 関西の事務局は特定非営利活動法人シヴィル・プロネット関西、関東の事務局はライスカウンセリング心理学研究所が担当します。お電話・メールによるお問い合わせはシヴィル・プロネット関西事務局まで頂けましたら幸いです。 

 ピアメディエーション学会にご賛同いただける方はこちらのフォームよりご連絡をお願いいたします。 

 

【関西事務局】 特定非営利活動法人シヴィル・プロネット関西 

TEL06-6364-0241 FAX06-6364-4800  

※TELは、なにわ橋法律事務所につながりますので、『シヴィル・プロネット関西事務局を』と 

お伝え頂けましたら幸いです。 

E-mail:jimu@npoadr.info  WEB:http://www.npoadr.info/ 

 

【関東事務局】 ライスカウンセリング心理学研究所 

TEL・FAX04-7197-7183

E-mail:ricecounseling@yahoo.co.jp  

                                 文責 水野修次郎 

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※注1 大阪府立茨田高等学校では、2006年3月から特定非営利法人シヴィル・プロネット関西との協力によって、 ピアメディエーションを学校に導入しています。 この試みが1月29日読売TV 「News every サタデー」 17:00~17:30の間で茨田高校ピア・メディエーション(PM)の取り組みについて紹介されました。その後の多くの感想や質問が寄せられている状況から、PMを教育に導入することに確かな手ごたえを感じています。また、震災被害の特定の学校にも導入しています。その他は、ピア・サポート学会に参加のいくつかの学校でも導入されています。